2025年10月19日(日)に京都競馬場で行われた秋華賞(G1・芝2000m)は、春のクラシック組と夏の上がり馬が激突した注目の一戦となりました。
ここではレースの展開・上位人気馬の敗因・今後狙える馬まで掘り下げてレース回顧していきます。
◆ レース展開・ラップ分析
スタート直前に1番人気カムニャックが立ち上がるアクシデントがあったが、ゲート開扉のタイミングで着地し出遅れは最小限に。
レースは押し出される形でエリカエクスプレスが先頭に立ち、インヴォーグが2番手、カムニャックは4番手につけた。残り1200mを過ぎるとスローペースを突いて中団外にいたエンブロイダリーが馬なりで外から2番手まで上がって行った。
3コーナー過ぎから1番人気カムニャックの脚色が怪しくなり、直線では馬群に沈んだ。先頭エリカエクスプレスが粘り込みを図ったが、最後はエンブロイダリーが半馬身差で差し切って優勝。3着には大外から鋭く伸びたパラディレーヌが入線した。
◆ 結果
| 着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | タイム | オッズ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 6 | 11 | エンブロイダリー 牝3 488kg(+6) ルメール騎手 55.0kg 美浦・森一厩舎 | 1:58.3 (35.2) | 5.5倍(2人気) |
| 2着 | 5 | 10 | エリカエクスプレス 牝3 462kg(0) 武豊騎手 55.0kg 栗東・杉山晴厩舎 | 1:58.4 (35.4) 1/2馬身 | 15.1倍(5人気) |
| 3着 | 8 | 18 | パラディレーヌ 牝3 502kg(+6) 丹内騎手 55.0kg 栗東・千田厩舎 | 1:58.5 (34.4) 3/4 | 16.9倍(6人気) |
◆ 払い戻し金
| 単勝 | 11 | 550円 | 2人気 |
|---|---|---|---|
| 複勝 | 11 10 18 | 240円 560円 550円 | 2人気 9人気 8人気 |
| 枠連 | 5➖6 | 2,530円 | 10人気 |
| 馬連 | 10➖11 | 5,280円 | 14人気 |
| ワイド | 10➖11 11➖18 10➖18 | 1,790円 2,220円 4,610円 | 15人気 21人気 50人気 |
| 馬単 | 11→10 | 8,170円 | 22人気 |
| 3連複 | 10➖11➖18 | 29,560円 | 85人気 |
| 3連単 | 11→10→18 | 129,850円 | 338人気 |
上位入線馬の分析
◆ 勝ち馬 エンブロイダリー
ルメール騎手の卓越した騎乗技術が光りました。
距離適性よりも長く、折り合いに課題があるとされていたエンブロイダリーを、スタートから積極的に前目のポジションへ誘導。カムニャックをマークできる絶好の位置取りに成功し、折り合いも完璧につけました。
さらに向正面でペースの遅さを感じ取ると、上り坂手前で機を逃さず2番手へ進出。この判断も的確でした。
馬自体の精神面・肉体面での成長も見られましたが、レース中も冷静に状況を読んで動いたルメール騎手の自信と手腕が際立つ、完璧なレース運びでした。
◆ 2着 エリカエクスプレス
今年のGⅠで、宝塚記念(メイショウタバル・7番人気1着)、スプリンターズS(ジューンブレア・7番人気2着)、そして今回の秋華賞でも5番人気2着と、「逃げ馬」がいずれも絶妙なペースメイクで結果を残している。
今回もルメール騎手の完璧な騎乗がなければ勝っていた可能性が高く、改めて武豊騎手のペース判断の巧さには驚かされる。
こういったタイプの馬に乗った時の武豊騎手は軽視できない存在だと痛感させられました。
◆ 3着 パラディレーヌ
スタート自体は悪くなかったものの、いつも通り後方からの競馬。さらに大外枠の影響で終始外を回らされるロスの大きい展開となったが、それでも最後は鋭く伸びてこのメンバー相手に3着を確保。
前走のように内で捌き切れず脚を余すリスクはあったにせよ、もし内枠でスムーズに進路を確保できていれば──と思わせるほど見どころのある末脚だった。
人気馬の敗因
◆ 人気馬の敗因 カムニャック
ゲートで立ち上がる場面があり、気持ちが高ぶっていた可能性もあるが、それにしても負け過ぎの内容で敗因は正直つかめなかった。ケガなどがなければいいのだが――。
◆ 秋華賞2025 回顧まとめ
今年の秋華賞は馬券こそ外してしまったものの、まさに“名手の技”がぶつかり合った見応え十分の一戦でした。展開を見極め、勝機を逃さない2人のトップジョッキーの手腕には改めて唸らされましたし、戦術と瞬時の判断力の重要性を痛感させられるレースでもありました。
一方で、人気を集めていたカムニャックの敗戦には不安が残ります。道中の気配や手応えを見る限り、単なる力負けとは言い切れない内容だっただけに、コンディション面や馬体に異常がないことを祈るばかりです。


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