【チャンピオンズC2025】レース回顧

チャンピオンズカップ2025(中京ダート1800m)が12月7日に行われ、今年もハイレベルで読みづらいレースとなりました。

人気馬にも不安要素が多かった今年の一戦を、展開・各馬の走り・勝因敗因を中心に振り返ります。


◆ レース結果

着順枠番馬番馬名タイムオッズ
1着12ダブルハートボンド 牝4 474kg(-2)
坂井騎手 56.0kg  栗東・大久保厩舎
1:50.2 (37.1)7.3倍
(3人気)
2着48ウィルソンテソーロ 牡6 484kg(-3)
川田騎手 58.0kg  美浦・高木厩舎
1:50.2 (36.8)
ハナ差
7.3倍
(2人気)
3着47ラムジェット 牡4 516kg(0)
三浦騎手 58.0kg  栗東・佐々木厩舎
1:50.6 (36.9)
2.1/2差
12.8倍
(7人気)

◆ 払い戻し金

単勝2 730円3人気
複勝2
8
7
250円
230円
320円
3人気
2人気
6人気
枠連14 1,420円6人気
馬連28 2,300円8人気
ワイド28 
27 
78 
910円
1,680円
1,010円
9人気
21人気
11人気
馬単28 4,160円13人気
3連複2788,700円30人気
3連単28736,790円106人気

◆ レース展開|

今年のチャンピオンズカップは、スタートで明暗が分かれる形となった。ナルカミは出負けしてしまいダッシュがつかずやや後手を踏む一方、内にいたシックスセンスが好スタートを決めて前へ。主導権を握ったのは予想通りウィリアムバローズで、外からシックスセンスが上がってきたため、2番手を進んでいたダブルハートボンドは無理をせず3番手に控えた。その直後の外には1番人気のナルカミがつけ、隊列は淡々としたミドルペースで流れていく。

3コーナーでは馬群がひと塊となり、勝負は直線へ。手応えをなくしたナルカミを尻目に、ダブルハートボンドが先頭へと抜け出しを図る。そこへ外からはメイショウハリオが鋭く追い込み、内からはウィルソンテソーロが馬群を割って伸びてくる。

最後はダブルハートボンドとウィルソンテソーロの激しい一騎打ち。クビの上げ下げとなる接戦を、わずかハナ差で制したのはダブルハートボンド。牝馬としては10年ぶりのチャンピオンズカップ制覇となった。


◆ 勝ち馬のポイント

勝利したのは3番人気のダブルハートボンド。

序盤は無理に競りかけず、外からシックスセンスが上がってくると3番手に控えて脚を温存する形に。今開催の中京ダートは差しが決まりやすい傾向だったこともあり、無理をさせない冷静な判断が光った。

そして4コーナーで外に持ち出されると手応えは抜群。直線では鋭い伸びを見せ、内から迫るウィルソンテソーロに一度は差されそうになりながらも、二枚腰を発揮して最後まで抜かせず勝利を掴んだ。


◆ 2着・3着馬の評価|人気馬の中では健闘

2着 ウィルソンテソーロ


2着のウィルソンテソーロは、好位のインでロスなく立ち回り、直線では差し切るかという鋭い伸びを見せたものの、逃げ粘るダブルハートボンドを捉えきれず、最後はわずか9センチ差の2着。昨年も10センチ差で涙の2着だっただけに、今年も運に見放され悲願のタイトル奪取はならず。これでまさかの3年連続2着という悔しい結果となった。

3着 ラムジェット

スタートは前走ほどではないものの、やや出遅れ気味で後方4番手あたりからの競馬となった。向正面では徐々にポジションを上げていったが、4コーナーでは外から勢いよく押し上げてきたメイショウハリオに一度は後れを取る形に。それでも直線に向くとエンジンが掛かり、しぶとく伸びて最後はメイショウハリオをアタマ差で差し切っての3着を確保した。

気難しさがあって思い通りの競馬をさせるのは簡単ではなさそうだが、それでも力のあるところはしっかり示せた一戦だった。


◆ 敗因分析|人気馬はなぜ崩れたのか?

● 13着 ナルカミ

ジョッキーのコメントによると、返し馬の段階からかなりテンションが高く、レース中も普段なら折り合いに苦労するような行きっぷりだったにもかかわらず、この日は逆にスッと折り合いがついてしまったとのこと。

これは レース前に余計なエネルギーを使ってしまっていた可能性が高い。

さらにゲートでは後肢が落ちて踏ん張りが効かず、スタートでダッシュがつかない形に。その影響で初めて4番手からの競馬になった点も響いた。

とはいえ、仮にスタートが決まっていたとしても、当日の精神面や気配を考えると 本来のパフォーマンスを発揮するのは難しかったかもしれない。

● 15着 ルクソールカフェ

大外枠に加えて、想定よりペースが流れなかったことで、終始外々を回される厳しい競馬に。あの位置取りではさすがに結果を出すのは難しく、残念な結果となりました。

中京ダート1800mの大外枠は、スムーズに逃げるか2番手に収まらない限り不利になりやすいのはわかっていましたが、ペース読みが外れた時点でこの馬には相当厳しい展開。1コーナーを回ったあたりで「今日は無理だな…」と半ば諦めていました。

● 11着 シックスセンス

前走は初ダートながら好走を見せたものの、今回はペースも馬場もよりタフな条件。今開催の中京ダートは差しがよく決まっており、あの流れで前へ行けばさすがに苦しくなりました。

ダート適性やメンバー比較を考えても今回は一枚力が劣る印象で、結果は仕方ないと言える内容でした。


◆ まとめ

今年のチャンピオンズカップ2025は、例年とは異なる差しが決まるトラックバイアスの影響もあり、前へ行く馬たちは無理をさせない判断が目立ちました。その結果、想定よりもペースは上がらず、展開を読み違えた時点で勝負は決していた印象。改めて“展開予想の重要性”を痛感させられる一戦となりました。

ナルカミにとっては明確な課題が浮き彫りになり、今後どのように立て直すかで成績が大きく変わってきそうです。一方、ルクソールカフェは出走が叶えば、得意の東京マイルとなるフェブラリーSで巻き返しに期待したいところ。

いずれの馬も能力は確かなだけに、“どう最大限その力を引き出すか”が今後の鍵となりそうです。

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