2025年の菊花賞は例年以上に「持久力」だけでなく「仕掛けのタイミングと瞬発力」が問われた一戦でした。京都3000mらしい消耗戦となりましたが、単純なスタミナ勝負というより3コーナー手前から加速し続けられるかどうかが明暗を分けたと言ってよいでしょう。
■レース全体の流れ
序盤は想定通りのスローペースで進行し、中盤でさらに緩む展開。結果的に、例年通り “ロングスパート型の瞬発力勝負” になりました。
ポイントとなったのは、
道中どれだけ無駄なく折り合いをつけられたか、そして
3コーナーの坂の下りからスムーズに加速し、長く良い脚を使えるか――
この2点が勝敗を分けたレースだったと言えます。
結果
1着: 5枠9番 エネルジコ ルメール騎手 3:04.0 1番人気
2着: 7枠15番 エリキング 川田騎手 3:04.3(2馬身)2番人気
3着: 7枠14番 エキサイトバイオ 荻野極 3:04.4(3/4) 13番人気
払い戻し金
| 単勝 | 9 | 380円 | 1人気 |
| 複勝 | 9 15 14 | 180円 190円 1,180円 | 1人気 2人気 13人気 |
| 枠連 | 5−7 | 1,010円 | 2人気 |
| 馬連 | 9−15 | 1,110円 | 1人気 |
| ワイド | 9−15 9−14 14−15 | 540円 5,480円 8,370円 | 1人気 54人気 66人気 |
| 馬単 | 9→15 | 2100円 | 1人気 |
| 3連複 | 9−14−15 | 45,690円 | 137人気 |
| 3連単 | 9→15→14 | 140,270円 | 467人気 |
■勝ち馬エネルジコの内容
スタートはいつも通りダッシュがつかず、後方15番手付近からの追走。序盤はやや行きたがる素振りを見せて口を割る場面もあったが、ホームストレッチに入る頃にはルメール騎手がしっかりと折り合いがつけた。1コーナーを過ぎたあたりでマイユニバースが進出を開始すると、それを見ながらスムーズにポジションを上げていき、向正面では中団外目へ。
直線入口ではすでに4番手外まで進出しており、勢い十分に先頭に並びかけると、そのまま突き抜けて2着に2馬身差をつけての完勝という内容だった。
■惜敗馬の見解
2着 エリキング(2番人気)
スタートで出負けし、後方16番手付近からの追走となりました。序盤は少し口を割る仕草も見られましたが、すぐに折り合いを取り戻し、道中はエネルジコを意識するようにマークしながら運んでいきます。直線でも懸命に追い上げましたが、最後まで勝ち馬に並びかけることはできず、2着が精一杯という結果に。
ただし力はしっかり発揮しており、勝ったエネルジコが一枚上だったという印象です。
3着 エキサイトバイオ(13番人気)
スタートを決めてスッと2番手を確保。そこから一旦は5番手付近までポジションを落とし、道中は折り合いをつけながら進める形に。向正面の坂の手前でじわっと進出して再び2番手へ。3〜4コーナー中間では早めに先頭に立ち、そのまま押し切りを狙う勝負強い競馬を見せたが、最後は踏ん張り切れず3着に健闘。
レイデオロ産駒ということもあり、距離延長はプラスだと見ていたが、母アニメイトバイオの血統背景から中距離適性がやや強いのではとも思っていた。それでも今回、先行して最後までしぶとく脚を使えていた内容を見る限り、やはり距離が伸びたことが良い方向に働いたと評価したい。
■総括
今年の菊花賞は当初こそ重〜不良馬場まで悪化するのでは…と予測されていましたが、いざ蓋を開けてみれば「稍重」の開催。
3番人気ショウヘイは、折り合いに終始苦労。序盤から力みっぱなしで、勝負どころを迎える頃には余力がなく14着と惨敗。
4番人気マイユニバースも痛恨の出遅れで最後方からの競馬を強いられ、前走のようにマイペースの逃げの形に持ち込めず13着に敗退。
改めて――3歳限定・3000mという特殊舞台では“自分の競馬に持ち込めるかどうか”がすべてという結果を見せつけられる形となりました。
余談
発走2時間ほど前に、力が抜けていると予想していた1番人気&2番人気の2頭の馬連オッズが、まさかの“11倍”もついていることに気づいた。エネルジコの馬体重がマイナス12kgだったからなのか、雨馬場だったからなのか理由は定かではないが、期待値が高すぎると判断して即座に買い増し。結果的にあの判断をしておいて本当に良かった…😂


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