2025年10月12日(日)に行われた アイルランドトロフィー(GⅡ・東京芝1800m)。
秋の東京競馬場らしい、軽い馬場で行われた一戦は、例年通りエリザベス女王杯を見据える実力馬たちが集結し、見応えあるレースとなりました。
この記事では、レース結果・展開・上位馬の評価・次走の注目馬 を詳しく振り返っていきます。
レース結果(上位3頭)
1着:ラヴァンダ (牝4/岩田望騎手/栗東・中村厩舎)
2着:アンゴラブラック (牝4/戸崎圭騎手/美浦・尾関厩舎)
3着:カナテープ (牝6/佐々木騎手/美浦・堀厩舎)
※レースタイム:1分45秒7(良馬場)
払い戻し金
| 単勝 | 15 | 700円 | 4人気 |
|---|---|---|---|
| 複勝 | 15 2 7 | 230円 400円 280円 | 3人気 6人気 5人気 |
| 枠連 | 1➖8 | 1,370円 | 6人気 |
| 馬連 | 2➖15 | 4,690円 | 18人気 |
| ワイド | 2➖15 7➖15 2➖7 | 1,440円 880円 1,570円 | 16人気 10人気 19人気 |
| 馬単 | 15→2 | 9,230円 | 38人気 |
| 3連複 | 2➖7➖15 | 9,100円 | 31人気 |
| 3連単 | 15→2→7 | 68,610円 | 229人気 |
🧭 レース展開分析
スタートから各馬がほぼ揃った好発。内枠のアドマイヤマツリがスッとハナを主張し、外からピースオブライフがそれに続く形に。人気のボンドガールはスタートを決めて中団をキープし、隊列はすんなりと決まりました。
前半1000mは60.8秒と平均的な流れ。各馬が折り合いを重視しながらじっくりと脚をためる展開となり、大きな動きはないままレースは4コーナーへ。
直線に入ると、早めに動いたセキトバイーストが抜け出しを図るも、思ったほど伸びきれず。そこへ逃げ粘るアドマイヤマツリに襲いかかったのが、後方から強烈な末脚を繰り出したラヴァンダ。残り200mで一気に各馬をのみ込み、外から鮮やかに差し切ってゴールイン!
2着には、逃げ馬の直後でロスなく脚を溜めていたアンゴラブラック。好位からしぶとく脚を伸ばしたカナテープが3着を確保しました。
ペースが平均的だったこともあり、最後は瞬発力と立ち回りの差が明暗を分ける形に。ラヴァンダは展開に左右されない末脚の鋭さを改めて証明する内容で、今後の重賞戦線でも注目の存在となりそうです。
上位入線馬の分析
🏇 勝ち馬: ラヴァンダ
前からでも後ろからでも競馬ができる自在性が持ち味のこの馬。今回は位置取りにこだわらず、馬のリズムを最優先した結果、後方からの競馬に。瞬発力勝負になりやすい東京競馬場の舞台でその切れ味がしっかりハマり、見事に初の重賞制覇を果たしました。
この馬の強みは何と言っても、どんな展開・どんなコースでも対応できる器用さ。安定して好走を続けられるのはその柔軟性あってこそです。
この勝利で、次走のエリザベス女王杯でもますます楽しみが広がりました。
🥈 2着: アンゴラブラック
3連勝で迎えた初のオープン挑戦が今回のGⅡだったが、逃げ馬アドマイヤマツリの直後でしっかり脚をため、直線ではスムーズに抜け出すというロスのない完璧な競馬。
しかし、最後は惜しくも2着となった。
🥉 3着: カナテープ
スタートを決めて好位5番手あたりにポジションを取り、道中は折り合いをつけながらじっくりと脚を溜める。直線に向いて追い出すと、一瞬は先頭に立つ勢いを見せたが、外からそれ以上の脚で伸びてきたラヴァンダに差され、さらに内から伸びたアンゴラブラックとの競り合いにも敗れて3着。
結果的には追い出しをもう少し待っていれば2着はあったかもしれないが、それでもGⅡの舞台でしっかりと能力の高さを示した内容だった。
人気馬の敗因
9着 ボンドガール (1番人気)
スタートを決めて無理なく中団につけ、折り合いもついて完璧に見えたレース内容だったが、直線ではまったく伸びず9着という結果に。
精神的なものなのか、はっきりとした原因は分からないが、こうした不安定さが成績の波につながっている印象。
7着 アドマイヤマツリ (2番人気)
スンナリとハナを切り、ペースも平均的で理想的な流れに見えたが、道中はやや力み気味の走り。
瞬発力勝負が得意ではないタイプでもあり、最後はその分のロスが響いて止まってしまった印象です。
10着 セキトバイースト (3番人気)
この馬は瞬発力勝負があまり得意ではないため、本来なら早めに抜け出して持久力勝負に持ち込みたかったところ。
しかし、プラス20kgの影響もあってか4コーナーからの反応が鈍く、思うように動けなかった。馬場の内側の状態も悪くなく、馬場傾向的にもこの馬には噛み合わなかった印象。
📊 レース総評
- ミドルペースで後半瞬発力勝負
- 馬場は軽く、内外の差は小さめ
- 位置取りよりも上がり性能と瞬発力が勝敗を分けた
芝の状態が良く、上がり32秒台の決着。
まとめ
ボンドガールの走るタイミングがますます掴めなくなってしまったが、今回のレースを見てやはりトラックバイアスに適さない馬にとっては厳しい結果になりやすいことが改めて証明されました。


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