◆レース概要
2025年11月2日(日)に行われた第172回天皇賞・秋(GⅠ・東京芝2000m)。
毎年秋の中距離王決定戦として注目を集める一戦ですが、今年は上位人気馬が揃って追い切り内容に不安を残しており、事前から「波乱ムード」が漂うレースでした。
◆レース展開
スタート直後、予想通りメイショウタバルが先手を取り、2番手にホウオウビスケッツが続く形。ところがメイショウタバルが思ったほどペースを上げず、馬群が詰まったまま進む展開となった。
1000m通過タイムは62秒フラットと想定外のスローペース。各馬が折り合いを重視し、レースは完全に瞬発力勝負の様相を呈した。
残り4ハロン(約800m)からペースが一気に上がり、直線ではロングスパート合戦に突入。
タスティエーラが残り400mで早めに先頭へ抜け出し押し切りを図ったが、ラスト100mで外から鋭く伸びたマスカレードボールがこれを差し切り、見事1着でゴール。
さらにその後ろから追い込んだミュージアムマイルが2着に入り、内で脚をためたジャスティンパレスが3着を確保した。
結果として、序盤のスローペースが大きく影響し、瞬発力と立ち回りの上手さが問われる一戦となった。
最後方から上がり最速の31.7秒という驚異的な末脚を繰り出したシランケドだったが、位置取りの差が響き4着まで。
展開の綾が明暗を分けたレースとなった。
◆レース結果
1着:マスカレードボール 470kg(+4) 牡3 56kg ルメール騎手 1:58.6 (32,3)
2着:ミュージアムマイル 500kg(0) 牡3 56kg Cデムーロ騎手 1:58.7 (32.3) 3/4
3着:ジャスティンパレス 470kg(0) 牡6 58kg 団野騎手 1:58.8 (32.6) クビ
払い戻し金
| 単勝 | 7 | 270円 | 1人気 |
|---|---|---|---|
| 複勝 | 7 9 3 | 140円 240円 360円 | 1人気 4人気 8人気 |
| 枠連 | 5ー6 | 770円 | 3人気 |
| 馬連 | 7ー9 | 910円 | 2人気 |
| ワイド | 7ー9 3ー7 3ー9 | 430円 820円 1,890円 | 3人気 7人気 24人気 |
| 馬単 | 7→9 | 1,390円 | 2人気 |
| 3連複 | 3ー7ー9 | 5,020円 | 13人気 |
| 3連単 | 7→9→3 | 15,860円 | 29人気 |
◆勝ち馬の勝因
スタートは決めたもののダッシュがつかず、中団やや後方からの追走。スローペースの中でもしっかりと折り合いをつけ、直線では力強く伸びて差し切り勝ち。地力の高さを改めて示した。
◆上位人気馬の敗因分析
ミュージアムマイル 2着(3番人気)
位置取りはマスカレードボールとほぼ同じあたりだったものの、枠順の差で外を回らされる形に。道中はしっかり折り合いをつけて進み、直線では勝ち馬と同じ上がりの脚を使うも、位置取りの差が響いて2着まで。左回りも全く問題なく、もし枠順が勝ち馬と逆であれば結果が入れ替わっていてもおかしくない内容でした。
シランケド 4着(6番人気)
序盤で最後方からの苦しい競馬を強いられたものの、直線では上がり3F31.7秒という破格の末脚を披露して4着まで浮上。展開不利の中でも力のあるところを改めて見せつけた。
タスティエーラ 8着(2番人気)
スローペースの流れの中、直線で早めに先頭に立ち抜け出しを図ったものの、最後は脚が止まってしまい8着に敗退。やはり状態面が本来には戻っていなかったことが影響したか。
ブレイディヴェーグ 10着(4番人気)
ほぼ最後方からの競馬となり、直線では内を突こうとしたものの進路がなく、満足に追えず不完全燃焼の内容となった。
◆次走に向けての注目馬
・シランケド:展開次第になるがG1でも勝てる能力を見せた。
・タスティエーラ:状態さえ戻れば。
・ブレイディヴェーグ:中距離の東京競馬場はやはり得意舞台で、今回の内容を見る限りまだG1の舞台でも十分通用しそうだ。
◆まとめ
今年の天皇賞・秋は、メイショウタバルが予想外にペースを引き付けて逃げたことで、想定外のスローペースとなった。その影響で後方からの馬には厳しい展開となり、ある程度の位置を取り、しっかり折り合いをつけて上がりを使えた馬が上位に入る結果に。
結果的に3歳勢がワンツーを決め、この2頭の今後の活躍がますます楽しみになる内容だった。


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