今年の帝王賞(JpnⅠ)は、まさに上半期ダート界の総決算と呼ぶにふさわしい一戦となりました。7月2日に大井競馬場で行われた第48回帝王賞(4歳上・JpnⅠ・ダート2000m・良)は注目馬たちの力が真正面からぶつかり合う、見ごたえ十分のレースでした。
■ 勝ったのはJpnⅠ初制覇のミッキーファイト
2025年の第48回帝王賞(JpnI)は、ミッキーファイト(C.ルメール騎手)が優勝し、待望のJpnⅠ初制覇を果たしました。
スタートからスッと好位置を確保したミッキーファイト。2番手で流れに乗ると、早めに仕掛けた3コーナー過ぎには堂々と先頭に立ち、そのまま後続の追撃を封じ込めてゴール。まさに力でねじ伏せるような、圧巻の押し切り勝ちでした。
これまでジャパンダートクラシック2着、フェブラリーS3着と、あと一歩のところでGⅠタイトルに手が届かなかったミッキーファイト。しかし、3度目の正直でついにその悲願を達成しました。
■ 2着はアウトレンジ、3着にはノットゥルノが食い込む
2着には、道中4番手内を追走していたアウトレンジ(松山弘平騎手)が入りました。ペースが上がった時にやや遅れそうになりましたが、直線では外に持ち出し、しぶとい脚を使ってじわじわと差を詰め、最後は勝ち馬に迫る伸びを見せました。。
3着はノットゥルノ(武豊騎手)。序盤は5番手の外を追走し、3コーナーからは早めに動いて先頭に並びかける積極的な競馬。最後は一杯になりながらも大きく崩れることなく粘り、3着を確保しました。外から勝ちに行く厳しい競馬だっただけに、内容的には評価できる一戦だったと思います。
■ 注目馬の明暗──2番人気ウィルソンテソーロは5着、3番人気ラムジェットは6着まで
2番人気に支持されたウィルソンテソーロ(川田騎手)は5着まで。スタートからいつも通りの先行策を取り、3コーナー手前では早くも先頭に並びかけて果敢に勝ちに行く競馬を展開。しかし直線に入ってからはじわじわと後退し、最後は力尽きる形に。持ち味を生かした積極的なレースぶりでしたが、今回は相手が一枚上手だった印象。力負けと言わざるを得ない結果でした。
一方、3番人気に推されたラムジェット(三浦騎手)は中団から脚をためる形。直線では外から追い上げてきたものの、残り200mあたりで脚色が鈍り6着止まり。見せ場は作ったものの、最後は脚が上がってしまいました。
■ まとめ
今年の帝王賞は、ミッキーファイトの完勝劇。人気に応えて堂々の勝利を収め、まさに現ダート界の主役の座を証明した一戦となりました。
前走・アンタレスステークス(GⅢ)に続いての連勝。スタートから好位につけ、最後の直線では後続を全く寄せつけない強さは、まさに「横綱相撲」という表現がふさわしい内容でした。
ただし、枠順、馬場状態、ペースなど、少しの要素が噛み合わなければ、順位は入れ替わっていた可能性も十分にありますのでこれからのダート界も楽しみになる一戦でした。
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